研究課題
現在、中性子源は様々な分野で需要が高まっており、特に資源開発や地雷探査といった用途に対しては容易に移動可能で、過酷な環境や輸送あるいは衝撃に耐える小型な中性子源が必要である。 この目的のためには、運搬時に遮蔽を必要とせず、安全に取り扱うことのできるDD(重水素-重水素)反応やDT(重水素-3重水素)反応を用いた加速器中性子源が最適であり、小型で大強度という条件を共に満たすためには、負重水素イオンを用いたタンデム型が有利である。しかし、問題となるのが負イオンから正イオンへの荷電変換器である。従来のカーボン箔は、大きさや寿命という点で問題が大きく、輸送や衝撃には耐えることができない。本研究では、特殊な加工を施した金属表面を用いることによって、頑強でかつ半永久的に使用できる荷電変換器の開発を目的とする。平成24年度は、金属表面へのイオン入射に伴うスパッタリング率、反射イオンエネルギー及びイオン反射率を計算コードを用いて調査した。またダイバータ表面へのイオン入射による実験結果を取得した。現在までに試行実験で得られた結果、形状測定レーザ顕微鏡を使用した荷電変換器の表面形状比較、荷電変換器表面でのスパッタリング率、荷電変換器の熱負荷の調査等に基づき、小型中性子源に使用するイオン源の最適化を行った。イオン源の最適化の重要な項目であるビーム電流増大化においては、最適運転条件の取得に成功し、ビーム電流増大化を実験的に実証した。得られた調査結果、実験結果を取りまとめて国際会議、国内学会において発表を行った。
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Journal of Nuclear Materials
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10.1016/j.jnucmat.2013.01.191
10.1016/j.jnucmat.2013.01.052