研究課題
イオンスパッタ法により作成したFeRh薄膜、およびインゴットから切り出したFeRhバルク試料の磁性のイオン照射効果を引き続き実施した。バルク試料に関しては、高エネルギー軽イオン(H,He)照射による深部磁性改質を試みた。SQUD磁束計による磁化測定とTRIM計算により、試料表面から約10マイクロmの深さに幅1μm程度の強磁性領域の発現を確認した。現在、磁化の深さ方向依存性に関して、MFM顕微鏡を用いて確認中である。また、イオンビームによる磁性変化をより効果的に行うため、FeRh薄膜試料において、単原子イオンでなく、原子が数個集合した高エネルギークラスターイオンを用いる照射実験も試みた。その結果、おなじ総エネルギー付与で比較しても、クラスターイオンを照射したほうが、単原子イオンを照射した場合より大きな磁化が得られ、また結晶配列の乱れを定量的に示す規則度も、クラスタービームのほうが大きく低下することも判明した。これは、結晶格子の乱れと強磁性発現が直接的な相関を持つことを示した重要な結果である。さらに、イオン照射による結晶構造変態により、FeRhバルク試料の硬度も系統的に変化することも見出した。
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