研究課題/領域番号 |
23656595
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
逢坂 正彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 大洗研究開発センター・燃料材料試験部, 研究副主幹 (10421471)
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研究分担者 |
田中 康介 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 大洗研究開発センター・燃料材料試験部, 研究副主幹 (20421779)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 原子力材料 / 核燃料 / 熱電能分布測定 / 電気化学測定 / 局所硬さ測定 |
研究概要 |
電気化学スペクトロメトリー(以下、EIS)と熱電能分布測定を組み合わせて、燃焼した核燃料内におけるメソスケールでの化学・物理状態の分布、ならびに、酸素不定比が粒界相を含む核燃料内の各相へ与える影響を同時に明らかにする手法確立を目的とする研究を実施した。研究は、非放射性で核燃料物質等の代替となるセリア酸化物を用いて行った。 機構において、セリアおよびセリアにNdをドープした固溶体酸化物(Ce,Nd)O2-xを調製した。セリアに希土類酸化物を加えて混合粉砕した粉末を加圧成型し、1,300℃-計10時間の熱処理を行った。熱処理した試料は再度粉砕・混合・成型して熱処理を計2回行うことにより固相反応を促進させ、最終的には1500℃-3時間の熱処理により焼結した。調製した酸化物は、X線回折測定により、単相の蛍石型の結晶構造を有することを確認した。また、希土類の添加量に対する格子定数の関係は線形であることが分かった。酸化物の特性評価のための高温電気化学測定(EIS)のために、EIS用セルの高温化設計を行い、1,000℃までの加熱が行える装置を製作した。高温ユニットを既存のEIS装置に組み合わせて標準試料の測定を行い、所定の性能が発揮されることを確認した。 阪大においては、連携研究者の黒崎氏の協力の下、機構で調製した試料のレーザー顕微鏡による表面組織観察ならびに微小領域の硬さ分布測定を行った。 産総研においては、連携研究者の山本氏の協力の下、機構で調製した試料による熱電能分布測定実施に向けて、主に装置の測定条件最適化ならびに装置のチューニングを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた項目を概ね達成している。
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今後の研究の推進方策 |
セリアに複数の希土類元素を添加した試料、およびセリアに希土類、金属、アルカリ土類等、実際の核燃料に含まれる元素を添加した模擬燃焼燃料試料を調製し、研究を進める。機構においては、上記試料の調製およびキャラクタリゼーションを行う。平成23年度にセットアップした高温化学セルを付したEISにより、試料のEIS測定を行う。平成23年度および下記する阪大および産総研における測定によって得られた試料の化学・物理状態分布、熱電能分布、ならびに、硬さ等測定結果を合わせて、EIS測定結果との相関を評価する。阪大においては、今年度調製した試料のレーザー顕微鏡による表面組織観察ならびに微小領域の硬さ分布測定を行う。産総研においては、今年度調製した試料の熱電能分布測定を行い、酸素不定比化合物の最適測定条件を評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
試料調製およびキャラクタリゼーションに必要な消耗品や備品を購入する。内訳は、EIS測定用消耗品、試料調製用消耗品、熱電能測定用消耗品および物性測定用消耗品である。また、阪大および産総研での実験に必要な国内旅費を使用する。
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