研究課題/領域番号 |
23656595
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
逢坂 正彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 福島研究開発部門 大洗研究開発センター 福島燃料材料試験部, 研究主幹 (10421471)
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研究分担者 |
田中 康介 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 福島研究開発部門 大洗研究開発センター 福島燃料材料試験部, 研究副主幹 (20421779)
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キーワード | 原子力材料 / 核燃料 / 熱電能分布測定 / 電気化学測定 / 局所硬さ測定 |
研究概要 |
電気化学スペクトロメトリー(以下、EIS)と熱電能分布測定を組み合わせて、燃焼した核燃料内におけるメソスケールでの化学・物理状態の分布、ならびに、酸素不定比が粒界相を含む核燃料内の各相へ与える影響を同時に明らかにする手法確立を目的とする研究を実施した。研究は、非放射性で核燃料物質等の代替となるセリア酸化物を用いて行った。 より均質で高品質な固溶体酸化物(Ce,Nd)O2-xの調製方法として、セリア及びネオジム酸化物を酸溶液に溶解させ、溶解液を蒸発乾固させた後に熱処理して残留酸成分等を除去する方法を確立した。本方法を用いて組成の異なる5種類の(Ce,Nd)O2-x試料を調製した。 調製した試料の電気的特性評価を行うための実験準備として、試料調製装置(高密度焼結体作成装置)の調整や高温電気化学測定装置(EIS)の性能確認とチューニングを行った。 電気化学測定、微小領域の硬さ分布測定及び熱電能測定を効率的・効果的に実施するために、電気伝導率やインピーダンス等に関する既往関連研究を網羅的に調査し、電気的特性と組成、温度、酸素不定比等の条件に係る相関解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
担当する研究協力者の職務変更等の理由により、前年度に固溶体酸化物の試料調製方法を変更した。このため試料調製条件を一から検討必要が生じ、高密度焼結体作成装置の故障と相俟って、各種特性測定が遅延しているため。
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今後の研究の推進方策 |
固溶体酸化物の試料調製方法を確立したことから、高密度焼結体作成装置が復旧次第特性測定用試料の調製を行って各種特性測定を完了させる。特性測定においては、今年度実施したデータ解析手法による特性と組成等との相関の解析結果を有効活用して、より効率的にデータ取得ができるような条件での測定を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、セラミックス高密度焼結体試料を調製して電気的特性測定を実施する予定であったが、高密度焼結体作成装置が故障しその復旧に時間を要している。このため、特性測定用試料の調製に着手できていない。その結果、高密度焼結体試料の仕様(微細組織、密度等)が定まらないため、仕様に合わせた電気的特性測定条件が定まらず、電気的特性測定に使用予定であった一部の消耗品や装置設置場所への旅費が未使用となった。 高密度焼結体作成装置は4月ごろ復旧する見込みであるため、セラミックス高密度焼結体試料の調製及び仕様の確定を8月までに終了させ、電気的特性測定用消耗品購入(試料ホルダー、プローブ等)及び装置設置場所への旅費に未使用分の経費を使用する。尚、未使用分経費の使用時期は8月~11月ごろを予定している。
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