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2012 年度 実績報告書

耐照射損傷性を有する高効率半導体ガンマ線電池の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23656604
研究機関九州大学

研究代表者

橋爪 健一  九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (70243912)

キーワード放射線電池 / シリコン / テルル化カドミウム / ガンマ線 / キャリア寿命 / コバルト60
研究概要

放射線エネルギーの電気エネルギーへの直接変換を目指し、SiやCdTe半導体を使ったγ線電池の研究を行った。特に、①変換効率向上、②高線量照射時の変換効率低下の原因究明、③変換効率低下の抑制と回復法の探求、に注目した。
多種の半導体素子(Si、CdTe、GaAs、InP、GaPなど)についてCo-60γ線照射(最大線量率5kGy/h)を行い、太陽電池の性能測定と同様、負荷抵抗を変え電圧と電流値を計測し最大出力を決定した。変換効率は、MCNPシミュレーションコードを用いエネルギー付与値を算出し、最大出力との比較から決定した。また、素子性能低下の原因究明のため、素子の拡散電位をC-V測定により、また、抵抗値を4端子法にて測定した。
1)γ線に対する変換効率向上:ショットキータイプSi素子、Si-PIN素子、CdTe素子、について%程度の高い変換効率を得た。さらに、素子の抵抗値、厚さ及び照射時の温度を変え、変換効率を測定した。その結果、高変換効率を得るには、高抵抗素子、低温照射、が望ましく、また、素子の厚さには最適な厚さがあることが分かった。これらは、γ線照射によって生成するキャリアの寿命、拡散長により決定されるものであり、最適条件のSiで、変換効率は10%を超えた。
2)高線量照射による変換効率低下の原因究明:C-V測定と抵抗値測定の結果、半導体の抵抗値及び拡散電位は照射線量とともに上昇した。拡散電位の上昇は、キャリアの回収効率の増大につながるが、結局、変換効率低下の原因は、欠陥生成により素子抵抗が上昇しキャリア消失が増大したためであることが分かった。
3)変換効率低下抑制と回復法の探求:変換効率の低下抑制には、高原子番号、高結合力の半導体が必要であることが分かった。これは照射による原子のはじき出し現象が起きにくいためである。また、低下した変換効率の回復には素子の加熱焼鈍が有効であった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] SiおよびCdTe製ガンマ線電池の発電特性2012

    • 著者名/発表者名
      冨永康平、谷口祐樹、橋爪健一、田辺哲朗、岡井富雄
    • 学会等名
      日本原子力学会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      20120919-20120921

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公開日: 2014-07-24  

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