研究課題
地球環境の保全のため、温室効果ガスの低減が緊急の課題となっており、クリーンで再生可能エネルギーのひとつである風力発電に注目が集まっている。これに伴い、風力タービンからなる風車が世界的に増加する傾向となっている。風力エネルギーは風速の3乗に比例するので、風車の設置場所として、風況の良好な地点を選定することが重要な課題となる。このため、平地が少なく風況が悪い国内では、沿岸部や山間地が風車の設置場所となっている。また地形や建物による影響を少なくするため、洋上風力発電も計画されている。このように風力発電には、風況のより良い地点が求められている。風は地表の摩擦の影響を受けるため、風速は地表近くでは小さく、高度が増すにつれて大きくなる。風速の高度分布として指数則が成り立つこと、また植生や建物などによる地表の粗度が大きいほど、地形が複雑なほど風速の変動が大きくなることが知られている。このため、多くの風車は平坦な陸地や沿岸部のタワー上に設置されている。風車のタワーを高くすれば発電効率は上がるが、強度やコスト面で問題が発生する。「さらに上空の風をとらえるには?」という考えから本研究は着想したものである。申請者は(1)上空の風力エネルギーの取得法として「インフレータブルカイト」、「飛行船と風車」、「回転気球」の利用、(2)エネルギーの伝達方法として、係留高分子繊維ロープのトルクと張力の応用、(3)ロープのトルクにより、地上で発電する技術開発を行ってきた。そして、各手法の性能比較を進めてきた。その結果、上空の風力エネルギーの取得に有力な手法として、改良型「新規回転気球」と「飛行船と風車」を選定した。
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International Journal of Fracture
巻: 187 ページ: 173-178
10.1007/s10704-013-9912-6
International Journal of Mechanical, Industrial Science and Engineering
巻: 8 ページ: 93-98