太陽光エネルギーを用いて水から水素を発生させる、いわゆる人工光合成系を構築するための研究を行った。人工光合成系を実現する上で、その初期過程において、光誘起電子移動反応後の逆電子移動反応を抑制し、長寿命電荷分離状態を形成することが重要である。天然系では複数のドナー・アクセプターのポテンシャルおよび配置が高度に制御されているが人工的に構築するのは難しい。そこで本研究では水相-有機相の異相間での遠距離電子移動系の構築を目的に両親媒性高分子ワイヤーを合成し、その分子ワイヤーが両相間にまたがって存在すること、および異相間での電子移動が可能なことを、蛍光法などを用いて検討した。
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