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2012 年度 実施状況報告書

細胞分化スイッチ機構を担うSOX-パートナー因子複合体のゲノム標的認識

研究課題

研究課題/領域番号 23657007
研究機関大阪大学

研究代表者

近藤 寿人  大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (70127083)

研究分担者 蒲池 雄介  大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (90263334)
キーワード発現制御 / 遺伝子 / ゲノム / 細胞分化 / 転写因子
研究概要

細胞分化は、複数の転写制御因子がつくる複合体がスイッチ機能を果たすことによって進行する。これらの複合体が結合するDNA配列は、個々の因子が単独で結合する配列の和ではなく、複合体に固有のものである。しかし、転写因子複合体のDNA結合配列を体系的かつ網羅的に研究した例はなかった。
そこで、以下の3段階にわけて、新たな研究を実施する。各段階は、概ね本研究計画の3つの年度に対応している。(1) 転写制御因子SOX2と、PAX6やPAX2がつくる複合体のin vitroでのDNA結合配列を網羅的に集めて分類し、(2) それらの配列群への転写制御因子複合体の結合の特性を解析するとともに、それらの配列群のエンハンサーとしての機能を評価し、そして (3) それらの配列群のゲノム中での分布とin vivoでの機能評価をおこなう。
平成23年度には、新しく開発したnonRI-EMSA SELEX法を用いて「SOX2-PAX6」ならびに「SOX2-PAX2」複合体がin vitroで結合する配列を網羅的に収集した。平成24年度では、Illumina sequencerを用いて23年度で収集した多数(100,000以上)の配列を決定し、その配列を分類した。その結果、これまで知られていたSOX2-PAX6の結合配列とはPAX因子の結合が逆向きになった結合配列が、SELEX プールの大多数を占めることがわかった。この新しいSOX2-PAX6結合配列は、既知のSOX2-PAX6結合配列とは異なったPAX6濃度依存性のもとで、エンハンサーとして機能することを確認した。
平成25年度に実施するChIP-Seq解析に備えて、in vivo ビオチン化転写制御因子の発現ベクターを開発した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究は、年次計画に従って順調に進展している。
平成24年度の研究では、in vitroのDNA結合反応によるSOX2-PAX6複合体の結合配列の主体が、これまでin vivoのエンハンサーの解析から得られていたSOX2-PAX6複合体の結合配列とはPAX6の結合配列が逆向きであるという、意外な発見がなされた。
これら2つのタイプの結合配列が、実際のゲノム上の機能的な結合配列にどのように使い分けられているかが重要な研究課題で、その研究を平成25年度に実施する。

今後の研究の推進方策

これまでの研究で、異なったタイプのSOX2-PAX6複合体結合配列が存在することが明らかになった、これらの結合配列がどのようにゲノム上に配置され、どのようなin vivoでの制御機能を果たしているのかを明らかにする必要がある。
そのために、平成25年度では、神経板組織を使ってSOX2ならびにPAX6のChIP-Seqを行い、そのデータからSOX2-PAX6複合体のゲノム上の結合位置を予測してその配列を分類する。さらにそのデータをmicroarrayのデータと対応させることによって、SOX2-PAX6複合体による制御の標的となる遺伝子群を明らかにする。
さらに、ChIP-Seqのデータから予測されたSOX2-PAX6複合体のゲノム上の結合配列のエンハンサーとしての制御機能を、レポーターアッセイを駆使して系統的に評価・分類して、ゲノム全体に対する制御システムのなかで、各結合配列を位置づける。

次年度の研究費の使用計画

上記の研究推進方策に従って、平成25年度にはChIP-Seqならびにmicroarrayを用いた大規模ゲノム機能解析、ならびに多数のSOX2-PAX6複合体結合配列の制御機能を評価するための大規模ルシフェレース・アッセイなどに、研究費を使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Functional Target Sequence of the Sox2-Pax6 Transcription Factor Complex2012

    • 著者名/発表者名
      Tomoyuki Mikami, Andrabi Munazah, Yusuke Kamachi, Hisato Kondoh
    • 学会等名
      The 35th Annual Meeting of the Molecular Biology Society of Japan
    • 発表場所
      Fukuoka, Japan
    • 年月日
      20121211-20121214

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公開日: 2014-07-24  

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