アリのコロニー内における音・振動コミュニケーションの役割を明らかにするため、まず、携帯用高度録音録画システムを開発した。飼育容器の透明アクリル板を二重とし、容器の底をプラスチックフィルムにしてその下に高感度小型マイクロフォンを固定した。これを防音箱の中に入れ、されにハイビジョン画質で至近距離から録画できるビデオカメラと、小型LED照明のセットを設置し、吸音スポンジで固定した。この装置を使って、蟻客であるクロシジミ属幼虫と様々なフタフシアリ類が盛んに発音することを確認した。特に、高度な分業社会をつくっているハキリアリでは、言語にも似た情報交換手段として音を利用している可能性があることを明らかにした。
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