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2012 年度 実績報告書

植物幹細胞の非対称性を確立する分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23657027
研究機関北海道大学

研究代表者

藤田 知道  北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50322631)

キーワード植物 / 非対称分配 / ヒメツリガネゴケ / 転写因子 / 細胞壁タンパク質
研究概要

多細胞生物において、不等分裂にともなう運命決定因子の非対称な分配は、異なる運命を持つ娘細胞を生み出す根本原理の一つである。これまでの研究から、植物には動物とは異なる独自の運命決定因子の非対称な分配機構が存在していると考えられるものの、その実体はいまだによくわかっていない。
そこで、植物の幹細胞に特異的な転写因子が非対称に分配されていることに着目し、この転写因子がどのように非対称に分配されるのかを支配する「植物幹細胞タンパク質の非対称分配の分子制御メカニズム」を明らかにすることを目的とし、研究をすすめた。またこの転写因子とは異なる手段により分配されるしくみが同一細胞内にも存在するらしい予備的結果を得ており、これらを定量的に検証できる観測系を開発し、定量解析する事も目的とした。また本研究過程を進める中で、乾燥やストレスホルモンのアブシジン酸が、上記の非対称分配を抑制するらしい事を見出した。また非対称性分配を抑制する細胞壁タンパク質を同定し機能解析を進めた。
上記転写因子の非対称分配を定量的に検証できる培養系を確立しタイムラプスイメージングによる定量解析を行った。その結果、この転写因子の細胞質の存在量は、不等分裂の前後でコントロールと大差ない一方で、核の存在量が不等分裂前後で約50%程度変化することがわかった。この非対称分配は、アブシジン酸により抑制される事を見出した。非対称分配を抑制する候補因子として2種類の細胞壁タンパク質を同定し、その機能解析をそれらタンパク質の過剰発現形質転換体や機能破壊形質転換体を作成することによりすすめた。その結果、確かにこれらのタンパク質が細胞極性を負に制御することを確認できた。今後、これらの因子が非対称分配にどのように関わるのかの分子機構の解明を調べる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Cell wall proteins regulates asymmetric and symmetric modes of cell division2012

    • 著者名/発表者名
      Tomomichi Fujita
    • 学会等名
      MOSS2012
    • 発表場所
      New York Botanical Garden (USA)
    • 年月日
      20120616-20120618

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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