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2011 年度 実施状況報告書

植物における細胞内局所的タンパク質機能誘導系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 23657034
研究機関京都大学

研究代表者

青山 卓史  京都大学, 化学研究所, 教授 (80202498)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード植物 / 細胞・組織 / 誘導系 / ケージド化合物
研究概要

人為的誘導系を用いて任意の遺伝子やタンパク質機能の発現を特定の時間や空間で誘導することは、それら遺伝子やタンパク質が関わる生命現象の分子基盤を解明するための非常に有効な手段となる。本研究では、ケージ化された2量体誘導化合物(Chemical Inducing Dimmer: CID)の紫外線レーザーによる局所的アンケージングという手法を利用して、単一細胞における遺伝子転写誘導、および細胞膜上の任意の領域へのタンパク質の局在・活性化を、形質転換シロイヌナズナ系において確立することを試みる。・CIDとしてビオチンとエストラジオールをつないだものを合成した。・細胞膜上タンパク質局在化系のために、ストレプトアビジンとCFPとの融合タンパク質に植物のRho-type低分子Gタンパク質であるROPの細胞膜局在化シグナルを付加したもの、エストロゲン受容体のホルモン結合ドメインとYFPとの融合タンパク質を設計し、それらをコードするDNA断片を根毛細胞で特異的に働くEXPA7プロモーターの下流に置いた遺伝子を作成し、それぞれを形質転換シロイヌナズナに導入した。・単一細胞転写誘導系のために、核移行シグナルを付加したストレプトアビジンとRFPとの融合タンパク質、エストロゲン受容体のホルモン結合ドメインにLexA およびVP16転写活性化ドメインを融合したタンパク質を設計し、それらをコードするDNA断片をカリフラワーウィルス35Sプロモーターの下流に置いた遺伝子を作成し、それぞれを形質転換シロイヌナズナに導入した。また、LexA結合配列をもつプロモーターの下流にGFPをコードするDNA断片を置いたレポーター遺伝子を作成し、形質転換シロイヌナズナに導入した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目的とする誘導系に必要な構成要素の作成およびそれらの形質転換植物体への導入を完了し、ケージ化されていないリガンドを用いた予備的な実験を行なっており、初年度としては十分な成果が得られた。

今後の研究の推進方策

これまでに作成された形質転換植物を用いて、まず、ケージ化されていないリガンドによる予備実験を引き続き行なうとともに、ケージ化リガンドに対する紫外線によるアンケージングの条件の検討を行なう。その上で、形質転換植物に対してケージ化リガンドを与え、紫外線レーザー照射による局所的アンケージングの実験へと進む。

次年度の研究費の使用計画

アンケージングを局所的に行なうための紫外線レーザー照射装置、ケージ化リガンドの合成に必要な試薬、形質転換植物の育成のための消耗品、および分子細胞生物学研究のために必要な試薬、キット類などの費用を計上する。また、実験に必要な光熱費を計上する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] D-myo-inositol-3-phosphate affects phosphatidylinositol -mediated endomembrane function in Arabidopsis and is essential for auxin-regulated embryogenesis2011

    • 著者名/発表者名
      Luo, Y., Qin, G., Zhang, J., Liang, Y., Song, Y., Zhao, M., Tsuge, T., Aoyama, T., Liu, J., Gu, H., and Qu, L.-J.
    • 雑誌名

      The Plant Cell

      巻: 23 ページ: 1352-1372

    • DOI

      10.1105/tpc.111.083337

    • 査読あり
  • [雑誌論文] AtSap130/AtSF3b-3 function is required for reproduction in Arabidopsis thaliana.2011

    • 著者名/発表者名
      Aki, S., Nakai, H., Aoyama, T., Oka, A., and Tsuge, T.
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 52 ページ: 1330-1339

    • DOI

      10.1093/pcp/pcr077

    • 査読あり
  • [学会発表] リン酸欠乏に応答した根毛伸長におけるPIP5Kの機能2012

    • 著者名/発表者名
      和田悠貴香、安田敬子、柘植知彦、青山卓史
    • 学会等名
      日本植物生理学会・2012年度年会
    • 発表場所
      京都産業大学
    • 年月日
      2012年3月16-18日
  • [学会発表] 根毛をもたないシロイヌナズナ変異株NR23の分子生理学的な特徴2012

    • 著者名/発表者名
      田中奈月、加藤真理子、青山卓史、富岡利恵、前島正義
    • 学会等名
      日本植物生理学会・2012年度年会
    • 発表場所
      京都産業大学
    • 年月日
      2012年3月16-18日
  • [学会発表] シロイヌナズナ変異体を用いたホスファチジン酸ホスホヒドラーゼの機能解析2012

    • 著者名/発表者名
      駿河 航、下嶋美恵、中村友輝、谷口幸美、青山卓史、太田啓之
    • 学会等名
      日本植物生理学会・2012年度年会
    • 発表場所
      京都産業大学
    • 年月日
      2012年3月16-18日
  • [学会発表] 植物細胞形態形成におけるリン脂質シグナルの役割2011

    • 著者名/発表者名
      青山卓史
    • 学会等名
      静岡大学・若手グローバル研究リーダー育成プログラム シンポジウム(招待講演)(招待講演)
    • 発表場所
      静岡大学
    • 年月日
      2011年9月15日
  • [学会発表] 光標識によるサイトカイニン受容体の結合部位の同定2011

    • 著者名/発表者名
      安藤和紀、青山卓史、山篠貴史、水野 猛、野崎 浩、林謙一郎
    • 学会等名
      植物化学調節学会第46回大会
    • 発表場所
      宇都宮大学
    • 年月日
      2011年11月1-2日
  • [備考]

    • URL

      http://rdb.kuicr.kyoto-u.ac.jp/researchers/view/aoyama+takashi

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公開日: 2013-07-10  

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