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2012 年度 実績報告書

植物における細胞内局所的タンパク質機能誘導系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 23657034
研究機関京都大学

研究代表者

青山 卓史  京都大学, 化学研究所, 教授 (80202498)

キーワード植物 / 細胞・組織 / 誘導系 / ケージド化合物
研究概要

人為的誘導系を用いて任意の遺伝子やタンパク質機能の発現を特定の時間や空間で誘導することは、それら遺伝子やタンパク質が関わる生命現象の分子基盤を解明するための非常に有効な手段となる。本研究では、ケージ化された2量体誘導化合物(Chemical Inducing Dimmer:CID)の紫外線レーザによる局所的アンケージングという手法を利用して、単一細胞における遺伝子転写誘導、および細胞膜上の任意の領域へのタンパク質の局在化を形質転換シロイヌナズナ系において確立することを試みた。
1)光学顕微鏡の落射光路に取り付けられる紫外線レーザ照射装置を制作し、それを用いたケージドエストロゲンの局所的アンケージングの実験を行なった。照射する対象としては、GFP遺伝子の転写がエストロゲン依存的に起こる形質転換シロイヌナズナの根の表皮を用い、ケージドエストロゲンは岡山理科大学の林謙一郎博士から分与されたものを用いた。その結果、紫外線レーザ照射された付近の細胞でGFPが一過的に発現することが確かめられた。
2)CIDとしてビオチンとエストラジオールをつないだものを合成し、それを介したタンパク質の2量体化を形質転換植物において行なった。 用いられたタンパク質はストレプトアビジンとCFPとの融合タンパク質のC末端にROP2由来の細胞膜局在化シグナルを付加したもの、およびMORNドメインを除いたPIP5K3のC末端にエストロゲン受容体のホルモン結合ドメインとYFPとをつないだものである。それらを発現する根毛細胞をCIDで処理したところ、YFP蛍光の細胞膜局在化が誘導されることが確かめられた。
これらの系を組み合わせ、CIDやケージドエストロゲンを改良することにより、単一細胞における遺伝子転写誘導や細胞膜上の任意の領域へのタンパク質の局在化を達成できるものと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] The Ca2+- binding protein PCaP2 located on the plasma membrane is involved in root hair development as a possible signal transducer2013

    • 著者名/発表者名
      Kato, M. et.al.
    • 雑誌名

      The Plant Journal

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1111/ tpj.12155.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Secretion of miraculin through the function of a signal peptide conseved in the Kunitz- type soybean trypsin inhibitor family2013

    • 著者名/発表者名
      Takai, A. et.al.
    • 雑誌名

      FEBS Letters

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pathways for epidermal cell differentiation via the homeobox gene GLABLA2: Update on the roles of the classic regulator2012

    • 著者名/発表者名
      Lin, Q. and Aoyama, T.
    • 雑誌名

      Journal of Integrative Plant Biology

      巻: 54 ページ: 729- 737

    • DOI

      10.1111/ j.1744- 7909.2012.001159.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Design and synthesis of photolabile caged cytokinin2012

    • 著者名/発表者名
      Hayashi, K. et.al.
    • 雑誌名

      Bioorganic &Medicinal Chemistry Letters

      巻: 22 ページ: 5663- 5667

    • DOI

      10.1016/ j.bmcl.2012.06.090

    • 査読あり
  • [学会発表] Involvement of Phospholipid Signaling in Root Hair Development2012

    • 著者名/発表者名
      Aoyama, T. et.al.
    • 学会等名
      3rd EMBO Conference on Plant Molecular Biology
    • 発表場所
      Matera, Italy
    • 年月日
      20120527-20120530
  • [学会発表] Function of the root systemfor adapting to severe soil conditions

    • 著者名/発表者名
      Aoyama, T.
    • 学会等名
      International Symposium:Cycle & Span of Sustainability(招待 講演)
    • 発表場所
      Uji, Kyoto, Japan
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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