左右相称花は、通常、花の相称軸が鉛直方向を向くように咲き、相称軸の向きを人為的に変えると元に戻すように花の向きが回転することが知られている。この現象は、花が重力方向を感知して花柄を捻ることによりおこると想定されるが、その詳細はほとんど明らかにされてこなかった。本課題では、コチョウランの花を実験材料としてその運動を定量的に解析し、この現象が重力屈性とは異なる「重力捻性」と呼ばれるべき別個の現象であることを明らかにするとともに、そのメカニズム解明に向けて花柄表皮の微小管配向の測定と微小管破壊剤投与の効果を調べた。その結果、花の回転は確かに花柄の捻れによりおこり、微小管は関与しないことが示唆された。
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