研究課題
本研究は、高圧凍結技法を取り入れた透過電子顕微鏡(TEM)により広範囲の高倍率・高解像度像を自動撮影するシステムを構築し、オミックス情報を含めたTEM像アトラスを構築・公開することを目的とした。シロイヌナズナまたはタバコ培養細胞を用いて高圧凍結した後、固定液と樹脂の条件検討を行い、組織・細胞の形態が保持され面積の大きい超薄切片を効率よく作製する方法を開発した。東京大学朽名博士・日本女子大永田准教授らと外部PCによりTEMのCCDカメラとX-Yステージ等を制御して、自動撮影するプログラムを開発した。そして撮影した数千~数万枚のTEM像を自動につなぎ合わせるプログラムを開発した。本プログラムを組み合わせ、3万枚の電顕写真の自動撮影・自動結合に成功した。さらに、つなぎ合わせた高倍率広域デジタル写真をWebブラウザで表示可能なシステムを構築し、拡大縮小等の表示テストを行いながら、オルガネラにアノテーションを加えられるようにした。また、ポップアップメニューや文字検索によりオルガネラの位置を表示できるように改良を加え、各オルガネラの遺伝子やプロテオミクス、蛍光イメージングの動画などのオミックス情報のリンクを加えられるようにした。さらに、東京大学桧垣博士らと電顕像におけるオルガネラの自動認証プログラムの構築を進め、根端におけるデンプン顆粒の自動抽出に成功した。シロイヌナズナ根端に未同定の構造体を見出した。TEM像アトラスを公開できるようサーバーをセットアップし、所内内部サーバーに公開しテストするとともに、様々なサンプルに末端PCからアノテーションを付けられるシステムとデータベースを構築した。本研究は、日本植物生理学会と日本顕微鏡学会で毎年発表するとともに、非公開ミーティングや公開シンポジウム等で報告した。現在、本研究に関して論文をまとめている。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
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