研究課題/領域番号 |
23657061
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
大谷 剛 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (60244688)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | ダンス言語 / 情報の伝達 / ビニールハウス |
研究概要 |
ミツバチは収穫ダンスという「ダンス言語」をもっているので、それで仲間同士で情報を伝達し合い、スムーズな社会生活を営んでいると信じられている。本研究は、たかだか100万程度の脳細胞しかもたないミツバチという昆虫にとって「情報の伝達」といった知的な活動は不可能ではないか、という疑問に端を発している。申請後から交付決定までの間に、研究計画に不可欠な実験場が次々と使用不可となり、計画変更を余儀なくされ、新たな実験場の探索・検討に多大な時間が費やされた。 二度にわたる計画変更の末、①完全閉鎖空間のビルの一室での実験、②建物内の通路につくった簡易ビニールハウスのトンネルでの実験、をする計画だった。①は既存の施設なので実現したが、②は一からつくらねばならないため、いろいろな困難が伴い、最終的にはイチゴ農家が使用しているビニールハウス(5x35m)を借りることになった。しかし、ビニール張りをはじめとする様々な準備が必要で、23年度内では実験可能なところまでは到達できなかった。したがって、研究成果は①の計画のみである。 しかしながら、この研究成果は、一企業と神戸大学と兵庫県立大学との三者で協定を結んだプロジェクトの実験施設を借用したため、そのプロジェクトで予定されている特許申請に深く関わっており、公表は見合わせる必要がある(理由を記述した調書を添付)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
「ミツバチは刺す昆虫で危険」という一般的な解釈により予定していた実験場が使用不可となり、新たな実験場を探索し検討することに、多大な労力が費やされたため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、ビニールハウスにて準備が整い、データが取れる寸前になっているが、天候・風雨の影響を簡単に受けてしまうので、生きた働きバチを多数使用し、ビデオの監視カメラなどの精密機器を使用する本研究の実験環境としては不向きな点が多い。そのため、ビニールハウスの準備を進めながら、新たな実験場を探していた。その結果、途中登場して使用不可になった「地下トンネル」近い実験場が見つかり、現在、使用許可を申請中で、許可がおり次第、移転する。新たな地下トンネルは、神戸大学工学部所有のもので、ビニールハウスで準備してきた機器がすべて使用でき、しかも天候の影響を受けにくい環境にある。
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次年度の研究費の使用計画 |
申請当初は、研究補助員+トランシーバーを用いた従来型の観察方式を考えていたため、「人件費・謝金」はどうしても必要なものだった。しかし、多くの観察点を採用していくとなると、「人件費・謝金」ではまったく賄い切れず、最新式のビデオ監視カメラ方式に切り替えざるをえなくなった。その結果、「人件費・謝金」は当該年度ではゼロとなり、多数の精密機器を購入することになった。この新方式切り替えの影響で、次年度も、「人件費・謝金」は最小限度にとどめ、多くを「ビデオ監視カメラ方式」を強化する機器の購入に充てる予定である。
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