研究概要 |
ツノゴケ類のホウライツノゴケ、茎葉性のタイ類のオウホウキゴケ,シダ類のスギナ,裸子植物のイチョウのRNAを用意し,次世代シーケンサーを用いた網羅的cDNAシーケンシング(RNA-seq)用ライブラリーの調整に着手した。RNA-seqライブラリーの調整法について標準的には真核型mRNAの3'末端に存在するpolyAを利用して精製する方法が従来用いられていたが、この方法だと5'側領域の出現頻度が相対的に低下するおそれがある。そこで、oligo dTを利用したpolyA RNA の精製に変わり、rRNA を除去する方法についても比較検討することとした。rRNA を除去する方法にも複数のメーカーの異なる製品があるが、現在対象にしようとしている広汎な植物に適応可能かどうかについては情報がないため、実際に試してみる必要がある。このため、従来キャピラリーシーケンサーによって一部の配列を決めてあるスギナの遺伝子とrRNAについて各方法で精製後の遺伝子5'領域3'領域、rRNAの回収率を定量PCRによって定量することによって進めることとした。さらにタイ類の基部で分岐したコマチゴケについてRNA, DNAを取得した。データ取得後の解析に向けて,RNA-seqデータを参照配列無しでde novo assemblyする方法について検討し,Trinityに改良を加えることにより,大幅にメモリー使用量を削減できる事を見いだした。
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