研究概要 |
【1】tRNA擬態複合体によるmRNA品質管理機構の分子機序解明: (1-A)古細菌由来因子の基盤活性測定系の構築:常温性生育種を中心とした古細菌に由来する、EF1α、aRF1、Pelotaのタンパク質セットの発現系を、ゲノムDNAからPCRクローニング、もしくはコドンコンテキストを最適化した遺伝子全合成により広範囲に構築し、酵母内発現系、過剰生産精製系を確立した。(1-B)tRNA擬態複合体のtRNA対応領域への変異体導入による機能性検証:古細菌因子で明らかにしたtRNA擬態構造を基にし、真核生物因子で変異体を作成しin vivoの活性測定系により機能性を検証を開始した。【2】EF1α上の共通結合インターフェースの分子解明:我々が報告したX線結晶構造からタンパク質因子(eRF1, Pelota)とGTPase側の結合部位に関しては、ともにtRNA結合部位と重複する2カ所の主要結合部位(Site 1, Site 2, 図A)が相乗的に寄与することが示唆される。古細菌から真核生物へのEF1αの分化の過程でSite 1はもっとも保存性が高く結合性も強い。古細菌の結晶構造から詳細に明らかにされたSite 2(Gドメイン密接領域)および、既知のSite1との連携機能性が、aRF1およびPelotaの相同領域でどのようにそれぞれの分子間で特異的に進化したかを検証するために、aRF1およびPelotaで、両ドメイン間のキメラ分子を作成し、それを用いたin vivo機能評価系を構築している。
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