研究概要 |
平成24年度は、補助事業期間延長承認申請書に記載した理由により、年度計画【1】【2】にあった「変異体の総合的な解析作業と成果公表」についてはやり残した形となった。【1】tRNA擬態複合体のtRNA対応領域への変異体導入による機能性検証:古細菌因子で明らかにしたtRNA擬態構造を基にし、真核生物因子で変異体を作成しin vi voの活性測定系により機能性を検証を開始した。【2】EF1α上の共通結合インターフェースの分子解明:我々が報告したeRF1/eRF3, aPelota/aEF1αそれぞれのX線結晶構造からタンパク質因子(eRF1, Pelota)とGTPase側の 結合部位に関しては、ともにtRNA結合部位と重複する2カ所の主要結合部位(Site 1, Site 2, 図A)が相乗的に寄与することが示唆 される。古細菌から真核生物へのEF1αの分化の過程でSite 1はもっとも保存性が高く結合性も強い。今回、構造生物学グループとの共同研究で初めて明らかにした、aRF1とaEF1αの共結晶構造( Nucleic Acids Res. 40: 9319-28 (2012))により、tRNA、Pelota、aRF1それぞれとaEFaとの結合特異性領域の推定が可能となった。aRF1に関しては酵母two-hybrid法をもとに必要部位の検証を既に完了している。今後、新規情報も加えて推定される共通結合インターフェースへの変異導入等を行い活性測定による総合評価に進める。
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