研究課題
本研究の目的は、痛み増強(疼痛)に働くノシセプチン受容体ORL1について、ORL1受容体を丸ごと総アラニンスキャンし、受容体活性化に必須な残基を同定し、これを捕捉して活性増強するスーパーアゴニスト、あるいは抑制するスーパーアンタゴニストを得る一般的な分子設計法を確立することである。丸ごと総アラニンスキャンにより、我々がこれまで見出したスーパーアゴニスト、すなわち、結合親和性から期待されるよりずっと強い活性を示すリガンドや、阻害活性が非常に強くアゴニスト活性ゼロの純アンタゴニストの活性発現機構を解明し、新規分子の設計・合成を目指す。昨年度に引き続きノシセプチン受容体ORL1の丸ごと総アラニンスキャンのためのアミノ酸変異体作製を精力的に実施し、計画通りに7本存在する膜貫通部分全て、また、第8ヘリックスを含め全てのα-ヘリックスのアミノ酸161残基について、1つ1つ、アラニンに変異させた。また、細胞内外ループの変異体作製も完成し、受容体全体で見ると約80%の残基について変異体作製を終了した。さらに、作製変異体について結合試験および活性化試験を実施し、活性および不活性な受容体構造の構築に働いている構造要因が明らかとなった。一方、β2-アドレナリン受容体の不活性型および活性型両方のX線結晶構造が報告されたことより、ORL1受容体へのホモロジーモデリングを実施し、これらのアッセイ結果と対照させて、活性化に決定的な構造要因の同定に成功した。さらに、活性化の構造要因が純アンタゴニストの阻害活性に最も重要な構造の相互作用部位と想定されたことより、この相互作用を増強する分子設計が可能となった。最終的にはこの分子設計まで完了した。
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