研究課題
26Sプロテアソームにおいて分解活性をもつコアを形成する20Sプロテアソームは14種類(α1-α7, β1-β7)、28個のサブユニットから成っている。20Sプロテアソームの複合体形成過程にはPba1-Pba2複合体、Pba3-Pba4複合体、Ump1の3組の専用シャペロンタンパク質が関わることが報告されている。試験管内において20Sプロテアソームを再構築することを目指し、各サブユニットおよび専用シャペロンタンパク質を個別に精製した後、混合することにより複合体の作製を行った。これまでの研究より、α1-α7の7サブユニットにPba1-Pba2複合体、Pba3-Pba4複合体を混合し、ゲルろ過クロマトグラフィーにより複合体形成状態を確認した結果、安定なαリングの形成は見られなかった。細胞内では20Sプロテアソームの複合体形成中間体としてαリングにβ2サブユニットとUmp1が結合した中間体が見出されていることから、βサブユニットの結合がαリングの安定化に必要であると考え、αリング形成に必要なタンパク質にβ2、β3サブユニットを加え、複合体状態の解析を行った。その結果、ゲルろ過クロマトグラフィーにおいて、古細菌プロテアソームで作製したホモ7量体αリングと同じ位置にピークが確認された。この結果はプロテアソームの複合体形成において、αリングは不安定でありβサブユニットが結合することにより安定なリングを形成していることが示唆された。また、このことは古細菌プロテアソームの中間体状態とも異なっており、ヘテロな複合体を形成するための機構が示された。
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Acta Cryst F
巻: 68 ページ: 517-521
doi:10.1107/S1744309112011359