研究課題
挑戦的萌芽研究
ユビキチン・プロテアソーム系を介したタンパク質分解は様々な生命現象に重要な働きをしている。基質特異性を決めるユビキチンリガーゼ(E3)の研究が盛んに行われている。しかしながら技術的困難さにより現時点までにE3と基質の関係が明らかになっているのはごく僅かである。そこで本研究では、E3対する基質を、細胞内部位特異的光架橋法および免疫沈降法の組み合わせにより同定し、さらにはこれら酵素・基質関係により制御される分子機構を明らかにすることを目的としている。Hrd3はHrd1と複合体を形成しE3として機能する。Hrd3のHrd1結合領域と予想される部位にアンバーコドンを導入し、紫外線照射による架橋反応の検討を行った結果、アンバーコドンの部位依存的に特異的タンパク質が結合してくる条件を見出した。これらの過程で、この方法は、相互作用することが明らかになっている分子間での最少結合部位を同定することに適しているが、新たな結合因子の同定には適していないことが判明した。この方法の替わりに酵母two-hybrid法を用いてSCFMet30の新たな基質p50を同定した。p50はSCFMet30により細胞周期依存的にその安定性を制御されていることを明らかにした。現在Met30によるp50分解の意義を細胞生物学的に解析している最中である。
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http://bunshi4.bio.nagoya-u.ac.jp/~2kamura/index.html