古典力学による分子動力学計算で利用する蛋白質高次構造に依存する力場関数の開発を目的とし、蛋白質中の代表的な二次構造であるα-ヘリックスと平行および逆平行のβ-構造としてエネルギー的に安定な構造を作り、それらの構造に対して厳密な量子化学計算を実施して高精度の構造エネルギーを算出した。その結果、代表的な古典力場であるAMBER99-SBによる構造エネルギーは、平行および逆平行β構造に対しては量子化学計算結果をほぼ再現したものの、α-ヘリックス構造に対してはペプチド鎖長に依存して大きくエネルギー値が低下した。高次構造に依存する力場エネルギーの補正を行った所、量子化学計算結果を良く再現できた。
|