ユビキチン化は生体機能に不可欠な翻訳後修飾の一つであるが、ユビキチン分子自身に対する翻訳後修飾についてはよくわかっていない。そこで本研究では、ユビキチン分子自身が翻訳後修飾の基質となる可能性の検討を進めた。リン酸化修飾について検討したところ、ある種の酵素により残基特異性をもってユビキチンがリン酸化されることが示唆された。次に細胞内在性ユビキチンにおけるリン酸化修飾を検討した。幾つかの残基に関してリン酸化の可能性が示唆された。内部標準ペプチドを用いて共溶出とスペクトル形態の比較により、リン酸化修飾を同定した。以上より、ユビキチン分子自身に対する翻訳後修飾の一端を見出した。
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