細胞内の微小管の重合開始にはたらくγチューブリンは、哺乳動物には2種類(TUBG1, TUBG2)存在するが、両者の機能の差異は不明であった。本研究では、マウス卵はTUBG2が主なγチューブリンであることを見出し、TUBG2欠損マウス卵を用いた解析を行った。更に、通常、神経細胞および卵・初期胚でのみ発現しているTUBG2が複数のがん細胞株で異所的に発現しており、その発現が細胞の増殖に寄与していることを見いだした。また、卵ではTUBG2の発現がなくてもTUBG1があれば紡錘体が形成されるが、体細胞では紡錘体形成におけるTUBG1の役割はTUBG2では代替できないことを示唆する結果を得た。
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