細胞運命・分化の決定機構と安定性解明のために、線虫C. elegansを材料にして、生体内での細胞運命・分化リプログラミング系の確立を試みた。神経細胞発生の完了した線虫幼虫に複数の転写因子群(hlh-14/Ascl1 + hlh-2/E2a, 又は hlh-3/Ascl1 + hlh-2/E2a) を異所発現させることで異所的に神経マーカー発現細胞を作出できることを発見した。一部の細胞は特定の神経細胞特性を示したが、リプログラム前の細胞の特性を併せ持った例もみられた。 本実験系が完全なリプログラミングに必要な細胞内コンテキストを解き明かす糸口を提供することが期待される。
|