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2013 年度 実績報告書

咽頭弓の分節性に着目した新たな生物時計の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23657153
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設)

研究代表者

高田 慎治  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンタ―, 教授 (60206753)

キーワード発生・分化 / 細胞・組織 / 遺伝子
研究概要

生物は様々なリズムにより制御されていることが知られているが、未知なるリズムを探索する試みとして、脊椎動物胚において周期的な分節構造を形作る咽頭弓に着目し、その形成周期を制御する分子機構を解析した。研究代表者はこれまでにRipply3という新規転写調節因子が、咽頭弓の形成に相まって特徴的な発現変化を繰り返すことを見いだしている。そこで、Ripply3の時間的な発現変化を生み出す分子メカニズムを解明する目的で、Ripply3の転写開始点上流の配列にEGFPを繋げた融合遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを作成した。このトランスジェニックマウスを用いてRipply3の発現解析を行った結果、本トランスジェニックマウスの作成に用いた転写開始点上流6kbの配列が咽頭弓におけるRipply3の発現には十分であることが明らかになった。培養細胞を用いたレポーターアッセイではこの上流6kbの配列からの転写がTbx1により活性化され、さらにそれがRipply3により抑制されることが示されており、Ripply3による負のフィードバックが自身の周期的な発現を生み出す可能性が示唆されている。そこでこのフィードバックが上流6kbの配列を介して行われているかを調べるため、このトランスジーンを有するRipply3変異体においてEGFPの発現を調べたところ、その発現期間が長くなり発現量も高まっていた。以上の結果は、Ripply3を介した負のフィードバックが咽頭弓におけるRipply3の発現に関わることを直接示すものであり、Tbx1とRipply3を介した負のフィードバックが咽頭弓における周期的な遺伝子振動を生み出すものと考えられた。さらに、TALEN法によりゼブラフィッシュのRipply3変異体の作成にも成功し、複数の脊椎動物において咽頭弓における遺伝子振動機構を解析する基盤が確立できた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Functional cooperation of spns2 and fibronectin in cardiac and lower jaw development.2013

    • 著者名/発表者名
      Hisano Y, Ota S, Takada S, Kawahara A.
    • 雑誌名

      Biol Open

      巻: 2 ページ: 789-794

    • DOI

      10.1242/bio.20134994.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Metameric pattern of intervertebral disc/vertebral body is generated independently of Mesp2/Ripply-mediated rostro-caudal patterning of somites in the mouse embryo.2013

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Y, Yasuhiko Y, Takahashi J, Takada S, Johnson RL, Saga Y, Kanno J.
    • 雑誌名

      Dev Biol.

      巻: 380 ページ: 172-184

    • DOI

      10.1016/j.ydbio.2013.05.020.

    • 査読あり
  • [学会発表] Negative feedback regulation of Ripply3 for own promoter during pharyngeal arch development2014

    • 著者名/発表者名
      Tadashi Okubo, Shinji Takada
    • 学会等名
      第47回日本発生生物学会
    • 発表場所
      愛知県名古屋市 ウィング愛知
    • 年月日
      20140527-20140530
  • [学会発表] Molecular mechanisms underlying segmentation border formation in Zebrafish somitogenesis2013

    • 著者名/発表者名
      Chimwar Wanglar, Taijiro Yabe, Shinji Takada
    • 学会等名
      The 19th Japanese Medaka and Zebrafish Meeting
    • 発表場所
      宮城県仙台市 仙台市情報産業プラザ
    • 年月日
      20130920-20130921
  • [学会発表] Molecular mechanisms underlying segmentation border formation in zebrafish somitogenesis2013

    • 著者名/発表者名
      Chimwar Wanglar, Taijiro Yabe, Shinji Takada
    • 学会等名
      第46回日本発生生物学会
    • 発表場所
      島根県松江市 くみびきメッセ
    • 年月日
      20130528-20130531

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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