研究課題
本研究では、枯草菌に見られるグリシンリボスイッチをメインの材料として、1. リボスイッチにおけるアロステリック効果の生成の分子機構の解明2. 原始tRNAとしてのグリシン-リボスイッチとその機能の起源へのアプローチを目的として研究を推進した。先年度のpreliminaryな発見の解析を押し進め、この2つの課題が相互に関連する部分の解明に進展が見られた。リボスイッチは、発現制御に直接関連するexpression platformとリガンド分子を認識するaptamer部分に構造的に分けて考えることができるが、ポリオールの存在下ではグリシン依存性が失われることを明らかにした。このグリシンリボスイッチにおいて、ポリエチレングリコールは、グリシンの有無に関わらず、発現を抑えるように作用し、エチレングリコールは、グリシンの有無に関わらず、発現を促進するように作用することを解明した。また、この作用は、aptamer部分の存在には依存しておらず、単に、expression platform部分の仮想的なterminator stemの形成にのみ依存していることが明らかになった。この結果、リボスイッチの進化はexpression platformが先にでき、その後で、aptamerが付け加わったという進化仮説を創出した。
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BioSystems
巻: 113 ページ: 59-65
10.1016/j.biosystems.2013.05.004