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2011 年度 実施状況報告書

次世代シークエンサーによる縄文および弥生時代人骨のゲノム解析

研究課題

研究課題/領域番号 23657167
研究機関北里大学

研究代表者

太田 博樹  北里大学, 医学部, 准教授 (40401228)

研究分担者 埴原 恒彦  北里大学, 医学部, 教授 (00180919)
石田 肇  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70145225)
木村 亮介  琉球大学, その他部局等, その他 (00453712)
間野 修平  統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (20372948)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードパーソナルゲノム / 縄文人 / 弥生人 / 次世代シークエンサー / 日本人の起源 / 沖縄 / 先島諸島 / アイヌ
研究概要

【研究目的】日本列島に住んでいる私達「現代日本人」が如何に形成されてきたかは、人類学者のみならず医学者を含めた他分野の生命科学者、さらには一般社会にとっても高い関心事である。本研究では「日本列島のヒト集団形成史」を明らかにすることを目的とし、縄文時代および弥生時代人骨から十分量のDNAを抽出し次世代シークエンサーをもちいた全ゲノム配列決定を行う。この古代ゲノム配列データを近年膨大に蓄積されつつある現代東アジア人のゲノムワイドSNPデータとの比較解析し、縄文人と弥生人の東アジアにおける系統的位置を明らかにする。さらにそうしたゲノム情報と集団形成史のモデルを融合したベイズモデリングにより過去の拡散・移動、混血および人口動態を明らかにする。【本年度の成果】1. 古動物骨の解析:対象とする遺跡から人骨とともに出土したイノシシの骨からDNAを抽出し、ミトコンドリアのゲノム配列をターゲットとした定量PCRにより残存DNA量を測定した。同時にDNAの保存状態をアミノ酸のラセミ化率により評価し、ラセミ化率と残存DNA量の関係を確認した。2. 古人骨の選定:上記の情報にもとづき、複数の遺跡から出土した古人骨についてラセミ化率の測定を行い、DNA抽出および定量PCRを行った。多くの遺跡出土人骨でDNA分析が難しいラセミ化率の値が示されたが、一部の標本で全ゲノム解析が成功する確率が比較的高い標本が見つかった。3. これらの成果について、近々では、5月27日に東京で開催される第78回日本考古学協会大会で一部報告予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

複数の縄文時代遺跡出土の動物骨(イノシシ)の骨および人骨のラセミ化率の測定とDNA抽出および定量PCRによる残存DNA量の測定を行った。これらの標本の残存DNA量は次世代シークエンサーによるDNA配列決定に十分な量(約1ug)に満たないことが判明した。この結果は、当初の研究計画で想定した状況より達成度が低いといわざるを得ない。一方で、当初の研究計画では次年度(平成24年度)に遂行する計画であった現代人のゲノム情報をもちいた集団ゲノム解析を前倒し的に行った。この点は達成度としての挽回要因といえる。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策:ラセミ化率の値が良好であった標本からより多くの骨部位のサンプリングを行い、できる限り1ugに近いDNA量を確保し、次世代シークエンサーによるDNA配列の決定を行う。得られたデータを現代人ゲノム情報とともに解析し、研究目的を達成する。

次年度の研究費の使用計画

必要な機器および試薬類は本年度で多くを取りそろえたため、次年度はこれらをもちいて分析を進める。次年度の研究費は主にその他の実験のための消耗品や厳重さと慎重さを要する骨標本の輸送や分析にたずさわる研究者の移動・宿泊に当てられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 人類の形態、生理・代謝、疾患の進化に関するゲノム多様性研究2011

    • 著者名/発表者名
      太田博樹
    • 学会等名
      統数研研究集会
    • 発表場所
      統計数理学研究所(立川)
    • 年月日
      2011年12月19日

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公開日: 2013-07-10   更新日: 2022-12-27  

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