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2012 年度 実施状況報告書

潜伏感染ウイルスの再活性化を用いた新規非侵襲的ストレス指標の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23657170
研究機関東京大学

研究代表者

石田 貴文  東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20184533)

キーワードストレスマーカー / 社会的ストレス / 潜伏ウイルス / 再活性化 / アミラーゼ
研究概要

本研究の目的は、ヒトに常在し潜伏感染しているウイルスがストレスにより活性化する点に注目し、ウイルスの再活性化を社会的・心理的ストレスの新たな指標として確立し、同時に、非侵襲的方法を構築することである。現代社会の抱える問題の一つに社会構造の多様化・グローバリゼーションによるストレスの増大がある。ストレスの問題は、単に医学・生物学的なものだけではなく文化・社会的な要因も絡み、多様なストレス像が存在している。「病は気から」と言われるように、精神・心理的な抑圧は身体の免疫力を低下させることが知られている。その精神・心理的ストレスを非侵襲的かつ簡便な、しかも、定量的方法で測定できれば、心の健康のモニタリングにも貢献できる。
昨年度に引き続き、簡易型唾液アミラーゼ測定器の再現性の検討を1)保存試料と2)他動物試料についておこなった。保存試料を用いた場合、測定チップに載せる唾液量が不十分だと、値が大きくぶれるため、最適最少量をを調べたところ、50μlと言う値を得た。本研究で用いる簡易型機器の長所は、免疫学的測定法と異なり、基質を分解する酵素活性を測定するため、被験動物種を問わないところにある。チンパンジーの保存唾液は使用可であることが確認できた。また、直接飼育アジアゾウについては、唾液採取をするのではなく、人の場合と同様にチップを直接口内に運び、安定した計測値をえることでき、非侵襲的ストレス計測法として飼育管理への応用も期待された。
唾液中のウイルス定量に関しては、ユニバーサルプライマーの設計を完成させた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

タイでの共同研究が順延されたため、データ取得が遅れている。

今後の研究の推進方策

平成24年度におこなう予定であったタイでの共同研究が順延されたので、平成25年度に実施する。そのデータをこれまでの結果とあわせ解析し、新規ストレスマーカーの有用性の検討を完了する。

次年度の研究費の使用計画

共同研究を実施しているタイ国コンケン大学への渡航旅費、ストレス測定のための試薬等消耗品の購入、データ解析人件費、成果発表旅費に充当する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 民族疫学の現場から2013

    • 著者名/発表者名
      石田貴文
    • 雑誌名

      遺伝

      巻: 67 ページ: -

  • [雑誌論文] Hepatitis E outbreak in monkey facility, Japan2012

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, H. et al.
    • 雑誌名

      Emerging Infectious Diseases

      巻: 18 ページ: 2032-2034

    • DOI

      http://dx.doi.org/eid1812.120884

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Individual variation in behavioural reactions to unfamiliar conspecific vocalisation and hormonal underpinnings in male chimpanzees2012

    • 著者名/発表者名
      Kutsukake, N et al.
    • 雑誌名

      Ethology

      巻: 118 ページ: 269-280

    • DOI

      10.1111/j.1439-0310.2011.02009.x

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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