本研究ではLEDの混色照明における非視覚的影響について、特に瞳孔の対光反射及びメラトニン分泌抑制から評価し、非視覚的影響に対する混色LED光の青色エネルギー絶対値への依存性とその加算性を検討することを目的としている。23年度は、RGBのエネルギー配分を一定に保持して青色エネルギー絶対値の非視覚的反応への影響を検討した。24-25年度は1)RGB混色全エネルギーを一定に保持する中で青色エネルギー相対値を変化させる条件、2)RGの各エネルギー量を一定に保持したまま青色光エネルギー絶対値を変化させる条件、3)GBの各エネルギー量を一定に保持したまま赤色光エネルギー絶対値を変化させる条件をそれぞれ実施した。その結果、光源の全エネルギーそのものよりも光源に含まれる青色光エネルギーの方がメラトニン分泌抑制への影響がより明確であった。また今回の光源条件では、緑色光のエネルギーが一定であったにもかかわらず個人の瞳孔面積で補正した場合、メラトニン分泌抑制率と有意な相関関係を示したことから緑色光エネルギーの非視覚的作用への影響を精査する必要性が示唆された。照明光の非視覚的作用を検討するには光の物理量のみではなく瞳孔反応のような生体側の個体差も併せて検討する必要性が示唆された。
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