研究課題
肥満や痩せの詳細な評価には、二重エネルギーX線吸収法(DXA法)による正確な体組成(骨量、脂肪量、除脂肪軟部組織量)の測定が必須である。しかし、DXA法による体組成のデータについては、我が国の母集団を代表としたものはない。本研究課題では、我が国の成人母集団の代表性のある、大規模無作為抽出標本調査Japanese Population-based Osteoporosis study (JPOS Study)の15年後の追跡調査対象者の体組成をDXA法によって測定し、その基準値やバリエーションと、それにかかわる様々な因子との関連について検討した。平成24年度は、平成23年に調査を行った香川、新潟、北海道の2市1町に加えて、福島県の1町で調査を行った。本研究課題での体組成測定者は合計1,072人であり、解析に用いた。本調査は近畿大学医学部倫理委員会の承認のもとに行われた。年齢階級別の体脂肪量と除脂肪量についてみると、いずれも60歳代までは年齢による差はあまり見られないが、80歳代では減少していた。腰椎や大腿骨近位部の骨密度との関係をみると、閉経後年数が10年未満では体脂肪量が少ないほど骨密度値が高く、閉経後10年以上では体脂肪量が多いほど骨密度値が高かった。体脂肪分布パターンについてみると、体脂肪分布パターンは、体脂肪量とは独立して、血圧と関連することが示唆された。さらに、体脂肪分布パターンは、体脂肪量とは独立して、血清脂質、空腹時血糖、HbA1c、PWVと関連することが示された。
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