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2012 年度 実績報告書

リンゴ酸バルブ増強による作物の窒素同化能および環境ストレス耐性能向上の試み

研究課題

研究課題/領域番号 23658016
研究機関名古屋大学

研究代表者

谷口 光隆  名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (40231419)

キーワード植物 / 葉緑体 / 窒素同化 / 環境ストレス / 遺伝子組換え / 輸送体 / 還元力 / リンゴ酸バルブ
研究概要

葉緑体からの還元力輸送は,光阻害に対する防御および硝酸還元酵素への還元力供給に必須であり,2-オキソグルタル酸/リンゴ酸輸送体(OMT)とリンゴ酸脱水素酵素(MDH)アイソザイムからなるリンゴ酸バルブがその役割を担っている。本研究では,このリンゴ酸バルブ能を増強させた遺伝子組換え植物を作製し,光阻害を回避することによる環境ストレス耐性能の向上,および還元力供給増強による窒素利用効率の向上が見られるかどうかを明らかにすることを目的としている。
イネおよびシコクビエを対象として遺伝子導入を試みたが,OMT輸送活性やMDH活性が顕著に高まった組換え体を得るには至らなかった。そこで,OMTと葉緑体局在NADP-MDHを過剰発現させたシロイヌナズナ形質転換体を用いて,環境ストレス耐性能および窒素同化能を調べた。葉緑体を単離し,明所下でのオキサロ酢酸依存的なリンゴ酸生成・排出能を調べたところ,野生株に比べOMT/NADP-MDH二重過剰発現株において有意に高い活性が得られたため,形質転換体ではリンゴ酸バルブ能が向上していると判断した。さらに,過剰発現株では,強光照射に伴う葉のFv/Fm値の低下が野生株に比べて抑えられていた。また,15N硝酸溶液を切り取り葉に吸わせ,葉中の15N標識グルタミン酸およびグルタミン含量の経時変化を調べたところ,過剰発現株において15N標識グルタミン含量が野生株より有意に高くなった。以上の結果より,OMT/NADP-MDH二重過剰発現株では強光ストレス耐性能および硝酸還元能が向上したと考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 植物のCO2固定機能を高めるC4光合成の最近の話題2012

    • 著者名/発表者名
      谷口光隆
    • 雑誌名

      日本の科学者

      巻: 47 ページ: 307-311

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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