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2012 年度 実施状況報告書

ニホンナシ自殖系統におけるリンゴ全ゲノム情報を用いた近交弱勢の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23658023
研究機関茨城大学

研究代表者

井上 栄一  茨城大学, 農学部, 准教授 (90292482)

キーワードニホンナシ / 自殖 / なし中間母本農1号 / S2世代 / 近交弱勢 / おさ二十世紀 / ホモ化 / SSRマーカー
研究概要

本研究では,ニホンナシ‘おさ二十世紀’の自殖後代である‘なし中間母本農1号’をもう一度自殖した世代を擬似S2世代とみなして材料とし,ニホンナシでは初の自殖第2世代について圃場における遺伝子や形質の発現,ゲノム構造とその機能の解析を行う.昨年度までに,ナシ自家和合性品種‘おさ二十世紀’およびそのS1である‘なし中間母本農1号’そしてその自殖後代であるS2世代について,生育評価とSSRマーカーを用いたホモ化レベルの解析を行った.その結果,初期の樹高において近交弱勢とみられる生育抑制が確認された.
本年度は,以下の2項目について検討を行った.
(1) ニホンナシ標準連鎖地図上に位置付けられているSSRマーカーを用いてゲノムワイドな遺伝子型の解析を開始した.ニホンナシの17連鎖群に散在する112座のうち,年度内に約半数まで解析を完了している.今後,残りのすべての遺伝子型を評価し,全22個体の自殖第2世代と主要栽培品種について,ゲノム領域ごとの詳細なヘテロ性を明らかにする予定である.
(2) 茨城大学農学部内の樹園地で育成しているS2世代について,その生育状況を継続的に評価した.S2世代は4年生個体であるが,昨年度までの観察結果と同様に,同樹齢の品種間実生と比較して,いずれも生育が劣り,樹高が1mに達するものは本年度も現れなかった.生育不良に経年変化がないことからも,S2世代の生育不良が,自殖弱勢によるものと推察された.また,生殖成長相への相転換の兆候も見られなかった.以上の結果から,来年度における開花結実は不可能であると予想された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度までに,本研究における萌芽性の高い材料である‘おさ二十世紀’の自殖第2世代を育成し,その生育評価を開始している.また,ナシSSRマーカーを用いたホモ化レベルの詳細な解析を継続している.しかしながら,自殖弱勢の影響でS2個体の生育が遅く,来年度も開花結実後の評価はできないと推察された.この状況を打開するために,来年度はナシマイクロアレイを利用した発現遺伝子の網羅的解析によって,研究を進める予定である.

今後の研究の推進方策

自殖弱勢に起因する材料の生育の遅れによる研究の停滞を打開するために,来年度はナシマイクロアレイを利用した発現遺伝子の網羅的解析によって,研究を進める予定である.

次年度の研究費の使用計画

ナシマイクロアレイを利用した発現遺伝子の網羅的解析を行うために,研究予算を集中して使用する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] S2 progeny of Japanese pear (Pyrus pyrifolia Nakai) ‘Osa Nijisseiki’ having self-compatibility and their homozygosity estimated by SSR analysis2013

    • 著者名/発表者名
      Eiichi Inoue
    • 学会等名
      American Society for Horticultural Science
    • 発表場所
      Palm Desert, California, USA
    • 年月日
      20130722-20130725

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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