研究課題
顕著な紅葉現象が見られる落葉樹において、紅葉現象の遺伝子レベルでの詳細な研究はほとんどなされていない。ツツジ科の落葉樹であるブルーベリーの培養苗においては、短期間の光照射で紅葉現象を引き起こすことが可能である。そこで、このブルーベリー培養苗を紅葉研究のためのモデル植物として用い、落葉樹における紅葉現象の解明について検討した。その結果、ブルーベリー葉におけるアントシアニン生合成において、光照射時の温度や光源が大きな影響を与えることが明らかとなった。また、葉においてはシアニジン系のアントシアニンが主として生合成され、アントシアニン生合成の制御機構が、果実とは異なる可能性が高いことが分かった。cDNAサブトラクションおよびdegenerated PCRにより9個のアントシアニン生合成関連遺伝子を単離することに成功した。低温時のアントシアニン含量の増加には、光強度依存性が見られ、紅葉が顕著に表れるためには、ある程度の光強度が必要である。また、アントシアニン生合成遺伝子は短期間の光照射で発現が増加するが、光ストレスに対する素早い反応により、植物体を保護していると推測される。現在、アントシアニン生合成系は、MYB遺伝子等により制御されていると考えられている。本研究においては、3種類のMYB推定遺伝子を単離できた。今後、単離した遺伝子の発現解析等を実施し、低温時の光照射におけるアントシアニン生合成関連遺伝子の発現について調査することで、アントシアニン生合成系の解明し、紅葉現象の究明に努める予定である。
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Bull. Facul. Agric. Univ. Miyazaki
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Plants
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