生物は様々な細胞内分解系を有し、このことは「分解」の重要性を示す一方、植物病原糸状菌の感染戦略と細胞内分解系を繋ぐ研究は限られている。本研究は、ウリ類炭疽病菌の感染戦略に関わる細胞内分解系のアウトラインを明らかにすることを目的とする。研究の結果、ATG11遺伝子が本菌の病原性発現およびペルオキシソーム選択的オートファジー分解に関与することを明らかにした。一方で、非選択的オートファジーも本菌の病原性発現に必要であることを発見した。そして、mRNA分解に関わるPボディの動態を含む各種分解系の状態をモニターできる病原菌ラインの利用に基づく、当該分解系を阻害する化合物スクリーニング系を構築した。
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