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2011 年度 実施状況報告書

農業害虫への超音波適用効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23658049
研究機関山口大学

研究代表者

渡辺 雅夫  山口大学, 理工学研究科, 准教授 (00034992)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2012-03-31
キーワード超音波
研究概要

本研究は果樹園に飛来し、農業被害をもたらす吸汁ヤガ類に対して、有効な防蛾効果を示した超音波発信機を、より広く農業害虫等への防虫設備として応用する可能性を探るため、圃場等で問題とされる昆虫類に対して超音波反応性を調べるなどの方法で、超音波による防虫設備の適応範囲を調べることを目的としている。 斑点米カメムシ類ではアカスジカスミカメの超音波反応性を調べたが、ヤガ類に対して有効な超音波パルスパターンには反応しなかった。メイガ類では、ノシメマダラメイガの超音波反応性を調べたが、ヤガ類とは異なる反応特性を持つことがわかった。超音波防音箱等の導入が7月下旬になったため、当初予定していた蛾類が採集できず、ヨトウガ、ハスモンヨトウについては継代飼育ができ、数種については飼育系を立てることを試みたが採集した個体数が少なく継代飼育ができなかった。 超音波の適応できる昆虫類を検索する方法として、ライトトラップに飛来する昆虫への超音波の忌避効果を調べることを試みた。簡易設置型ライトトラップを距離を離して2カ所に設置し、一方のライトトラップの周囲に、果樹園で防虫効果のあった超音波発信機(試作機)を設置し、2つのライトトラップに飛来する蛾類を中心とする昆虫の種類や個体数の違いを調べることを試みた。その結果、シャクガ、ドクガ、カレハガ等に超音波区を忌避する蛾類がいることがわかったが、調査時期が秋であったため、飛来する昆虫類が少なく、継続調査をすることとした。この結果は、23年3月、応用動物昆虫学会で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

農業害虫の多くは6月から7月にかけて発生するが、超音波防音箱の設置等が予定より遅くなったこともあり、6月から7月にかけて発生する農業害虫などの捕獲が十分にできなかったため、当初予定していた昆虫の超音波反応性、超音波回避行動の有無の調査が不十分となった。 ライトトラップなどによる誘引効果と、超音波発信による抑制効果を調べる試みがある程度の効果を上げることがわかったので、この方法を展開することで、超音波適応できる昆虫類の特定ができると考えている。

今後の研究の推進方策

23年度に十分な採集ができなかった蛾類等について、採集と飼育系を立て、超音波反応性などを調べる。 また、簡易設置型ライトトラップと超音波発信機を組み合わせた方法、さらにフェロモントラップと超音波発信機を組み合わせた方法で、初夏から圃場調査を行うことで、より広い範囲の蛾類を中心とした昆虫類への超音波適応範囲を調べることで、本研究の目的を達成する予定である。

次年度の研究費の使用計画

ライトトラップには飛来しにくい農業害虫もいるため、フェロモントラップを購入し、フェロモントラップと超音波発信機との組合わせで、超音波を忌避するか否かの検討を行いたい。飼育のための消耗品を少し購入する予定である。 また、近隣の農業技術センターから害虫を提供してもらって超音波反応性を調べたいので、徳島県果樹研究所、広島県農業技術支援センターへの出張を予定している。超音波によって回避行動を取る農業害虫(蛾類を中心とした昆虫類)に関する報告書の作成を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ライトトラップに飛来する蛾類への超音波の効果

    • 著者名/発表者名
      渡辺雅夫
    • 学会等名
      第56回日本応用動物昆虫学会大会
    • 発表場所
      奈良市、近畿大学農学部
    • 年月日
      平成24年3月28日

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公開日: 2013-07-10  

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