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2011 年度 実施状況報告書

昆虫の記憶を伴う獲得性免疫機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23658053
研究機関独立行政法人農業生物資源研究所

研究代表者

田中 博光  独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫機能研究開発ユニット, 主任研究員 (30391577)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード昆虫病理 / 免疫記憶
研究概要

昆虫の免疫機構は脊椎動物とは異なり、獲得性免疫機構は持たず、迅速で非特異的に行われる自然免疫機構のみを有し、一度侵入・感染した病原体に対する免疫記憶はないとされる。しかし、一度侵入・感染を受けた特定の病原体が再度侵入・感染を受けた場合、昆虫はそれを記憶し、より抵抗性、耐性を増し、排除する効率が上昇するかについては十分に解析されていない。本研究では昆虫の昆虫の免疫記憶の有無を明確にするための検証を行うことを目的とする。本年度はカイコ幼虫を用い、これに、E. coli, S. aureus, M. luteus, P.aeruginosa, E. Faecalis, S. marcescens, B. cereus, B. subtilis をそれぞれ経皮感染させ、接種後の生存率を解析し、これら微生物感染に対する最低致死量を調べた。微生物によって最低致死量は大きく異なり、P.aeruginosa や B. cereus、S. marcescens に対する最低致死量は E. coli や B. subtilisの1/1000以下であった。現在、これら微生物を最低致死量に満たない量で接種させ、一定時間後に同じ種類あるいは異なる種類の微生物を再度接種させ、両者において生存率に変化が生じるのか、カイコ幼虫内の微生物数に変化が生じるのかについての解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度はカイコ幼虫を用いて実験を行った。まず、各微生物を経皮感染させた場合の最低致死量の情報を得る必要があったため、この情報を得るための実験を行った。現在、この情報に基づいて、各微生物に対する経皮接種量を投与し、一定時間後に同じ種類あるいは異なる種類の微生物を再度接種させ、両者において生存率に変化が生じるのかを解析中であり、おおむね順調に進展していると思われる。

今後の研究の推進方策

まず、カイコ幼虫を用いて、最低致死量に達しない量の微生物を経皮投与後、一定時間後に同じ種類あるいは異なる種類の微生物を再び投与し、両者において生存率に変化が生じるのかを解析する。微生物の当時間、再投与までの時間も重要であることからこれらについてもさまざまな時期、時間で試み、検討を重ねる。さらに、コクヌストモドキ、ミツバチでも同様の実験を行い、微生物感染による免疫記憶が得られるのかを検証する。

次年度の研究費の使用計画

本年度は予定していた研究補助員を雇用することができなかったため、90万円以上の残額が生じたが、次年度は4月から研究支援員を雇用できることから、この残額は研究支援員の雇用にあてる予定である。その他の物品費、旅費等についてはほぼ当初の計画通りである。

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公開日: 2013-07-10  

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