研究課題
挑戦的萌芽研究
昆虫の免疫機構は脊椎動物とは異なり、迅速で非特異的に行われる自然免疫機構のみを有し、一度侵入・感染した病原体に対する免疫記憶はないとされるが、十分な検証はされていない。そこで、カイコを用い、免疫記憶の有無についての検証を行った。その結果、あらかじめ大腸菌を接種させておくことで、大腸菌を再接種させた場合の体内での生菌のクリアランスがよりすみやかに行われることが示された。また、このクリアランスの増大は体液性免疫能が向上することによってではなく、細胞性免疫能が向上することでなされることが示唆された。