研究課題
オートファジーが栄養の供給源としての役割を持つことを踏まえ、農業上重要でありながら、未解明な部分が多いイネ種子の形成及び発達過程に関与する新規栄養供給源としてのオートファジー機構の役割を明らかにすることを目指して、イネの種子形成過程においてオートファジー機構が必要不可欠な役割を果たすとの作業仮説の検証を試みている。 まず、イネ培養細胞を用いて、オートファジーの可視化解析実験系を構築した。イネからオートファジー実行因子の1つであり、E1様酵素であるATG7の遺伝子破壊株を単離した。OsATG7破壊株の培養細胞を用いて、Osatg7破壊株ではオートファジー機構が欠損していることを明らかにした。 Osatg7破壊株のホモ個体は不稔となるとの予備実験結果を詳細に検証した。さらに交配検定による、雄性、雌性不稔の検証を行った結果、雄性不稔の形質を示すことが明らかになった。 そこで花粉形成過程に重点を置いて、野生型株とOsatg7破壊株の各生育段階における試料を取得し、電子顕微鏡観察により、花粉形成過程における細胞内微細構造の形態の詳細な解析を進めている。また同時に、植物ホルモンや脂質代謝プロファイルを中心とした網羅的解析の準備を進めている。 Osatg7破壊株に野生型の遺伝子を導入し、不稔形質の相補性検定を進めた。またOsATG7プロモーターGUS形質導入イネを作成し、OsATG7の組織発現の解析を進めている。
2: おおむね順調に進展している
共同研究者の協力を得ることができ、概ね順調に進展している。植物ホルモンや脂質代謝プロファイルを中心とした網羅的解析は、最先端研究基盤事業植物科学最先端研究拠点ネットワークの協力を得ることができ、解析を進めつつある。
電子顕微鏡を用いた微細構造解析、植物ホルモンや脂質代謝プロファイルを中心とした網羅的解析を進め、表現型の原因を分子レベルで解明する。
これまでに採取できた試料を用いて、イメージング解析、分子生物学的、生化学的解析を進めるために使用する。また成果発表にも予算を計上する。
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すべて 雑誌論文 (17件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (48件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
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