研究課題/領域番号 |
23658062
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
信濃 卓郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター生産環境研究領域, 上席研究員 (20235542)
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研究分担者 |
藤巻 秀 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, グループリーダー (20354962)
中村 卓司 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター生産環境研究領域, 主任研究員 (60399425)
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キーワード | 根圏土壌 / 根分泌物 / 光合成産物 |
研究概要 |
短半減期の放射性核種を地上部から同化させ、根部において分泌物とともに放出される放射性核種をイメージングプレートで確認するための同化量、時間の調整をすすめた。濃度が濃く、同化後時間が長くなると放射性核種が拡散するために根分泌物が特異的に存在している領域を特定することが困難であった。そのため、根箱を用いて同化後短時間で植物体を根箱から丁寧にはずし、植物体(根)が存在しない状態で土壌断面のイメージングを行う手法が確立された。 この手法を活用し、十分に減衰した後に同じ土壌を用いて一般分析に供することが可能になると判断された。ただし、試験では同じ土壌を供するのではなく、同様に育った植物体の根を利用して、その分泌物の多少が予測される領域の土壌微生物の群集構造解析を次世代シーケンサーを利用して行った。その結果、根の分泌物によって根圏微生物群集構造が大きく変動していることが明らかになり、根分泌物による根圏微生物の制御の可能性が示唆された。 このような根分泌物の構成成分を明らかにするために、土壌からの各種成分(特に低分子化合物)の抽出を試みた。試験では様々な溶媒、分離手法を組み合わせた結果、メタノール系の溶媒を利用して土壌から抽出した場合に最も得られる化合物の種類が多く、また反復間でのバラツキが小さくなることが明らかにされた。その内容物には糖、アミノ酸、有機酸といったこれまでも植物から分泌されることが知られている化合物が見いだされた。
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