研究概要 |
大腸癌のリスク因子として大腸内に生成される発がん性二次胆汁酸が知られている.本研究では,腸内細菌による胆汁酸の還元的代謝により生成される発がん性二次胆汁酸を低減させる新しい手法として,腸内細菌の嫌気呼吸を促進させ,胆汁酸の酸化的代謝を活性化させることを試みた.そこでラットにフマル酸を添加した飼料を摂取させ,盲腸内の嫌気呼吸の誘導を試みたところ,代表的な発がん性二次胆汁酸であるデオキシコール酸の低減可能性は示された.しかし,5~10%と高濃度のフマル酸添加必要であり,この濃度ではラットが下痢を起こすことから、実用的な抑制にはフマル酸のカプセル化等,添加方法の検討が必要である.
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