研究課題
挑戦的萌芽研究
ヒト認知症防御リン脂質プラズマローゲン(Plasmalogens;以降Pls)が本研究代表者らによりヒト口腔内細菌Selenomonas sputigenaに発見された。我々は、アルツハイマー型認知症(AD)患者脳内でPlsが減少するという知見から、ADの発症に関わるアミロイドβタンパク質(Aβ)を生産する膜酵素γ-セクレターゼ(γS)の活性に、膜のリン脂質組成にPlsの存在が関与を検討した。酵母のミクロソーム膜画分を利用したγSのin vitroアッセイ系を駆使してPlsとγS活性との関係を以下のことを明らかにした。(1)フォスファチジールコリン(PC)はAβ活性を高める。(2)PCとPL型フォスファチジールエタノールアミン(EPls)の混合脂質での再構成実験から、PEの割合が高くなるとγS活性が極めて強く抑制される。以上のことから、我々は、AD患者脳内でγSが存在する膜系のEPPlsの割合が減少したことでγS活性が亢進し、Aβの産生および蓄積が促進された可能性があると結論した。以上の発見は世界で初めてである。
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