研究課題
前年度までに、プトレッシンを生合成できないが、菌体外から取り込んだプトレッシンをスペルミジンに変換できる大腸菌株をプトレッシンを添加した培地で培養すると菌体内にスペルミジンが蓄積し、バイオフィルムを形成することを明らかにした。このとき、PlaPが重要であることを見出した。本年度は、大腸菌のプトレッシントランスポーターのうち、PlaP以外の4つのトランスポーターは正常で、PlaPだけが+/-のものを用いて、バイオフィルム形成に及ぼすPlaPの影響を調べたところ、PlaP-の株のバイオフィルム形成量が顕著に少なかった。一方、どのトランスポーターが欠損している株でも、菌体内のポリアミン量を比較すると大差がないことが分かった。PlaPのプトレッシン取り込み活性のKm値が他のトランスポーターと比べて異常に大きいことと合わせて、バイオフィルム形成におけるPlaPの役割はプトレッシンを菌体内に取り込むことではなく、プトレッシンと結合した際にシグナル伝達することにあるのではないかと予想したが、RIラベルしたプトレッシンを用いた実験においても、外膜やペリプラズムにRIが蓄積することはなく、PlaPのメカニズムは不明なままである。一方、細胞外のプトレッシン量を増大させる変異株を見つけ、変異株とその親株大腸菌の全ゲノムのDNA配列を行い、変異点を特定した。その変異を野生型の大腸菌MG1655に移すと細胞外のプトレッシン量が増大することを確認した。
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Amino Acids
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10.1007/s00726-013-1517-x
Scientific Reports
巻: 4 ページ: -
10.1038/srep04548