室温で高活性を示す好冷性酵素は化学反応プロセスの省エネ化への応用が期待される。本研究では、熱安定性を維持しつつ室温で高い酵素活性を示す尿酸酸化酵素W279L+P287G変異体について結晶構造を決定した。得られた立体構造並びに速度解析等の結果から、インターフェースループIIの可動性増大により本酵素が好冷化したことが示唆された。これらの解析結果に基づき、枯草菌由来α-アミラーゼについて表面ループのヒンジ領域にある7残基に変異を導入した。標的残基のうち5残基の変異で120%-300%デンプン分解活性が増大し、かつ安定な好冷性酵素を得た。
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