一酸化炭素を唯一の炭素源として生育し、かつ空気中の窒素を還元することによって窒素源を得ている微生物(放線菌)の酵素系を用いて、光エネルギーによる水の水素への変換システムを構築することを最終目的として研究を行った。この酵素系は窒素還元活性ととともに反応副産物として水素を発生するニトロゲナーゼと呼ばれる酵素を含む。これらを遺伝子工学的に大量に合成するためその構造遺伝子を人工合成し、発現ベクターに組み込み、大腸菌に合成させることに成功した。発現させたリコンビナントタンパク質の活性発現に今後の研究の余地を残したが、光エネルギーによる水素産生活性の発現のための基礎を構築することに近づいたと考えている。
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