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2012 年度 実績報告書

イソチオシアネート熱分解物によるポリフェノールオキシダーゼ抑制と食品加工への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23658107
研究機関宇都宮大学

研究代表者

橋本 啓  宇都宮大学, 農学部, 准教授 (10237935)

キーワードイソチオシアネート / ポリフェノールオキシダーゼ / アントシアニン
研究概要

本研究では、アリルイソチオシアネート(AITC)熱分解物(hAITC)に含まれる、ポリフェノールオキシダーゼ(PPO)抑制活性成分の精製を進め、また食品加工への応用を検討した。
AITCには1割程度の弱いPPO抑制活性しか認められなかったが、AITC溶液を加熱することによりとPPO抑制活性が発現した。抑制活性は加熱温度と時間に依存し 100°Cで15分間処理することにより約9割抑制し最大となった。Lineweaver-Burkプロットにより阻害様式を検討した結果、hAITCによるPPO阻害は混合型非拮抗阻害であると考えられた。活性物質の構造についても検討を進め、これまでのところ、4-(ヒドロキシメタン)-チアゾリジン-2-チオンであるものと推定されている。また、ゆでキャベツ抽出物を分析した結果、活性物質と溶出時間の一致するピークが認められた事から、hAITCは加熱調理した野菜にも存在し、また、同様の活性物質が芥子油を特異成分とするアブラナ科野菜の調理加工食品に広く存在する事が期待された。
ナスの紫色素であるナスニンなどのアントシアニン系の色素はクロロフィルの緑色以外をほとんどカバーできるほどその色調が豊富であるが、非常に不安定でPPOによる褐変化も起こり、食品への応用がしにくい場合もある。そこでナスニンのPPOによる損失にhAITC処理が及ぼす影響を検討したところ、hAITCはPPOによるナスニンの低下を完全に抑制した。そこで、ナス皮からナスニンを抽出する際にhAITCを添加したところナスニンの抽出量が約2倍になった。従って、食品加工時に生じる規格外ナス中に含まれるアントシアニンの安定的かつ効率的な回収法にもつながり、各種加工食品への利用の促進が可能であると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] イソチオシアネート熱分解物によるポリフェノールオキシダーゼ活性の抑制

    • 著者名/発表者名
      橋本 啓、萩原めぐみ、渋江佳子、宇田 靖
    • 学会等名
      日本食品科学工学会
    • 発表場所
      藤女子大学

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公開日: 2014-07-24  

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