研究課題/領域番号 |
23658126
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
徳地 直子 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授 (60237071)
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研究分担者 |
藤巻 玲路 島根大学, 生物資源科学部, 助教 (90401695)
小山 里奈 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (50378832)
長田 典之 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 研究員 (80400307)
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キーワード | 窒素利用 / 窒素負荷 / 窒素飽和 |
研究概要 |
本研究では、窒素負荷が森林生態系の土壌窒素動態にもたらす変化が、植物が吸収する窒素の形態の変化を通して樹木の窒素利用コストに与える影響を明らかにすることを目的とする。すなわち、植物に吸収された窒素の形態による窒素利用に関わる炭素量を明らかにする。具体的には、森林木本種について①異なる形態の窒素代謝における根からのCO2放出量の定量②異なる形態の窒素条件下における根の形成コストの定量を行い、比較検討することを目的とした。 植物の窒素利用に関わる炭素代謝を明らかにするため、植物体に15Nでラベルした形態の異なる無機態窒素を吸収させ、その後14Cパルス標識法を用いて苗に14Cを同化させ、形態の異なる無機態窒素代謝に伴う14CO2放出速度を測定した。測定が終了した苗は、解体し、根の形態の観察・スキャナーによる情報の取り込み・サンプリングを行い、その炭素コストを算出した。常緑であるアラカシと落葉のコナラに対して、窒素源の違いによる根呼吸量の測定を行った。1時間あたりの根乾重あたり吸収量あたりの根呼吸放出量(% assimilated CO2 /hour/g)は、それぞれアラカシではNO3で0.055、NH4で0.035、コナラではNO3で0.03、NH4で0.02であった。また、経過時間に対する積算呼吸量の総同化量に対する割合は、アラカシでNO3吸収の場合8%、NH4吸収で4%、コナラはNO3吸収で8%、NH4吸収で4%と、両種ともにNO3吸収はNH4吸収の2倍をしめた。
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