目に見える年輪を形成しない熱帯の樹木の肥大成長を調べる手法開発を目的として、直流高電圧パルスで形成層を処理し、それによって形成される傷害組織を目印とするマーキング手法の開発を行った。このマーキング手法と組合わせて、形成層活動の季節変化をモニタリングするために、交流インピーダンスの計測を行った。 温帯と熱帯の広葉樹は300-500vの電圧で異常組織を形成した。形成の程度は樹種のよって異なったが、1)薄い細胞壁をもつ道管と木部繊維の形成、2)放射柔細胞列の増加と柔細胞の異形化、3)柔細胞での沈着物生成、の変化が共通して観察された。インピーダンスの変化には季節性が見られた。
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