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2012 年度 実績報告書

ポスト石油リファイナリーのためのマイクロ波増感固体触媒合成の新戦略

研究課題

研究課題/領域番号 23658145
研究機関京都大学

研究代表者

渡邊 隆司  京都大学, 生存圏研究所, 教授 (80201200)

キーワードヘテロポリ酸 / リグニン / バイオマス / バイオリファイナリー
研究概要

酵素糖化を介する木材からのバイオ燃料や化学品の生産では、リグニンの多糖への被覆をはずす高効率前処理法の開発が求められる。この目的のため、これまで様々な方法が検討されてきたが、マイクロ波感受性固体触媒反応を利用した例はない。本課題では、ヘテロ原子が金属酸素酸骨格に挿入されたヘテロポリ酸を合成するとともに、そのマイクロ波過酸化反応を開発して、木材中のリグニンを水溶液中で分解し、酵素糖化に適した糖鎖の分離とリグニンからの有用化学品の生産を同時に達成する。マイクロ波感受性ヘテロポリ酸触媒開発のため、微生物・酵素探索と同じく、機能を指標にした混合物からのスクリーニング法を導入する。即ち、結晶化物の構造決定から機能解析に進む錯体化学法では探索の対象が限定されるため、結晶化困難な錯体を含む合成混合物や部分精製物の反応解析から有用触媒を絞り出す開発法を組入れて、マイクロ波感受性バイオマス変換触媒の新分野を切り開く。本研究では、非フェノール型β-O-4二量体リグニンモデルを用いて、ヘテロポリ酸による分解実験を行った。ヘテロポリ酸としては、鉄タングステン酸の合成を行った。合成したヘテロポリ酸は、FT-ICRーMSで構造解析を行った。リグニンモデルの分解は、Biotage社製のマイクロ波反応装置を用いて行った。分解物は、GCMSで分析した。合成した鉄タングステン酸の他、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンタングステン酸をヘテロポリ酸として使用した。また、ルイス酸であるトリフルオロメタンスルホン酸も比較として使用した。その結果、触媒無添加では、70℃、170℃のどちらの温度でも分解しないが、これらの触媒を用いた場合は、分解が観察された。また、170℃の条件では、ジアステレオマー変換が起こることも見出した。さらに、触媒によっては、70℃でも分解する条件を見出した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 化学資源としてのバイオマス2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺 隆司
    • 雑誌名

      化学工学

      巻: 76 ページ: 444-448

    • URL

      http://ci.nii.ac.jp/naid/40019402272

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ウッドバイオリファイナリー2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺 隆司
    • 雑誌名

      材料

      巻: 61 ページ: 668-674

    • URL

      https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsms/61/7/61_668/_article/-char/ja/

    • 査読あり
  • [学会発表] リグノセルロース包括構造解析とマイクロ波を利用したバイオ燃料・機能性物質への変換2013

    • 著者名/発表者名
      渡辺 隆司
    • 学会等名
      分析化学会近畿支部セミナー平成24年度分析化学会近畿支
    • 発表場所
      けいはんなプラザ(京都府相楽郡)
    • 年月日
      20130214-20130214
    • 招待講演
  • [学会発表] リグノバイオリファイナリーに向けたバイオマスの包括構造解析と変換戦略2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺 隆司
    • 学会等名
      エコマテリアル研究会 バイオマス資源からの高度物質生産技
    • 発表場所
      東京大学(東京都文京区)
    • 年月日
      20121019-20121019
    • 招待講演
  • [学会発表] Lignin as a key molecule in biorefineries: Free radical-mediated degradation and interaction with2012

    • 著者名/発表者名
      Takashi Watanabe
    • 学会等名
      Biocat 2012: The 6th international conference on biocatalysis
    • 発表場所
      ハンブルグ、ドイツ
    • 年月日
      20120905-20120905
    • 招待講演
  • [学会発表] リグノセルロース包括利用を目指した植物細胞壁の精密構造解析と担子菌、電磁波反応による変換2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺 隆司
    • 学会等名
      環境バイオテクノロジー学会シンポジウム
    • 発表場所
      京都大学(宇治市)
    • 年月日
      20120626-20120626
    • 招待講演
  • [図書] バイオマス分解・燃料化、マイクロ波プロセス技術2013

    • 著者名/発表者名
      三谷友彦、渡辺隆司
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      シーエムシー出版

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公開日: 2014-07-24  

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