研究課題/領域番号 |
23658151
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上田 宏 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (00160177)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | サケ / 産卵行動 / 口開け行動 / 心停止 / 刺激伝導系 / ランゲンドルフ還流 |
研究概要 |
我国の重要な水産資源のシロザケは、雌雄が大きく口を開けて放卵・放精する時に数秒間、心停止する生物学・医学的に興味深い生命現象を示す。シロザケの産卵時の心拍停止・再開機構を解明するため、次の5点に着目して研究を行い、平成23年度の実験により下記のような成果を得た。1)カルボシアニン色素を用いたサケ心臓の刺激伝導系の解析:カルボシアニン色素(DiI)を用いて、延髄から心臓への順行性染色、および心臓から中枢神経系への逆行性染色を試み、迷走神経(副交感神経)は、内蔵枝より心臓枝へ分岐していることが観察された。2)サケの心停止時のアセチルコリン濃度とカリウムイオン濃度の測定:ヒメマスの心臓から拍出される血液を採集するため、腹大動脈からのカニュレーション手法の開発を試みている。3)多回産卵するニジマスの産卵時の心臓機能の解析:ニジマスに心電図ロガーを装着して放精時の雄において心電図を取得することができた。放精時の雄ニジマスにおいて不整脈が起こっており、その不整脈は心室細動だと推察された。シロザケのような明瞭は心停止は観察されなかったが、多回産卵型のニジマスでも放精時に心停止を起こす可能性が示唆された。4)サケの心停止と生殖腺成熟との関連解析:ヒメマスのGnRHaおよびDFPを投与して心電図の変化を解析する準備を進めている。5)ランゲンドルフ還流実験による心拍再開刺激の検討:ヒメマスの心臓を取り出し生体外で拍動させるランゲンドルフ還流実験手法の開発を試みている。サケ科魚類における迷走神経副交感神経の心臓洞房部から脳への走行を明らかにすることにより、口開け行動と心停止の関係を解明する必要性が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に行う予定であった5つの研究項目に関する実験を開始するとともに、次年度の研究の準備を進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に得た実験結果、および準備した実験を着実に実行していく。魚類心臓研究を行っている他機関の研究者との共同研究を開始することを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
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